2回目の商品開発座談会に参加したのは、デザイナー、PR、ディレクター、エディター、プランナーのママたち。ストレスのもととなる“言葉にならない日々のモヤモヤ”を突き止め、「モヤモヤを解決するもの」は何か、について、さらに議論しました!
 

■”商品づくり”だけが、最善のゴールではない

 

このプロジェクトは、商品を作ることだけがゴールではありません。

良い商品=みんなが欲しかったもの、と定義したとき、“欲しかった”理由は、「それがあれば、自分の〇〇が満たされる(解消される)」となります。
つまりママフリープロジェクトの目的は、満たされたい または 解消されたい〇〇を見つけ、根拠となる〇〇数を市場調査により測り、商品開の軸とすることです。

〇〇は、言語化されていない要素が大切だと考えます。無意識下にある言葉にならない〇〇はモヤモヤの本体であり、ストレスや悩みを生み出す根幹といえるからです。

この日もクリエイターママたちが未言語領域の悩みについてフォーカスし、掘り下げた議論を行いました。
 

■私たち、なんで毎日モヤモヤしてるの?

 

事前アンケートやワークでモヤモヤを掘り下げる中、議論の中心になったのは”女性であることを忘れない要素”についてでした。

Dさん:「日々に追われて、自分に手間がかけられないのが1つ目の悩み。止まらない加齢や流行という時のスピード感に沿いきれないのが2つ目。思うように過ごせない焦りが3つ目……って感じですね」

Aさん:「正直、出産してこんなに自分の生命力が衰えると思っていなかった。でも見た目や美容へは、身だしなみの範囲とはいえコストをかけねばならない。その心の負担って、大きくないですか?」

Bさん:「そうそう。産前はあれだけ好きだったのに、ファッションやコスメのトレンドを追うことがおっくうなんです。でも身だしなみ観点で言うと、自分の意識が足りていなくてモヤモヤする」

Cさん:「誰かに媚びを売るためではなく、自分が納得できるかどうかという意味で、女性らしさは忘れたくないんです。そこがクリアになっていれば、日々の焦りが一つ減る」

Eさん:「子どものため、自分のため、毎日頑張りたいから健やかでいたい。けれど手も気も回らなくてモヤモヤする循環がある気がします」

今日集まったママたちは、時間に追われる焦りや、終わらない日々のタスクにさいなまれ、女性らしさを司るファッションや美容トピック、そして自身の健康にまで配慮できないことが、女性らしさ・健やかさを失う本能的な恐れとつながるようです。
 

■子育て期の女性らしさは、どう保つのがベスト?

 

子どもや家族に配慮できる心地よい毎日を過ごすために”(自分が納得できる)女性らしさ”があること。それは特に、20代30代にかけて、仕事や趣味などに駆け抜けてきた現代女性だからこそ感じる大切さかもしれません。

では結局のところ、どのようにして女性らしさを保てばよいのでしょうか?

Bさん:「自分に合うものをどう選ぶかって話になりますね。比較検討する時間をかけず、ぱっと手に入れられるもの。つまり信頼できる中身であり、質の良さに納得して即買いできるような何か」

Aさん:「選ぶ手間がかからないものには、できる範囲で投資したいです。納得いくものをリピートするほうが楽ですから」

Dさん:「自分ならではの女性らしさや健康の底上げができるものを愛用し続けることで、産後の焦りや喪失感が埋まる気がします」
 

■「●●=(自分が納得できる)女性らしさ」

 

今日の議論を経て判明した、ママたちが求める「(自分が納得できる)女性らしさ」を満たす商品の定義とは、

●購入動機:
 ①女性らしさを満たすと実感できる、または納得できるもの
 ②比較検討する手間がないこと
●商品定義:
 ①質が良いもの
 ②ママ一人ひとりの傾向や特性に合っていること
●購入手段:
 時間がかからないこと

をクリアしたものだということでした。
どんな小さな悩みも違和感も、積み重なっていくのが女性の性質のひとつです。だからこそ、早いうちに解き放てる商品や方法があればきっと、ママたちならではの「女性性をなくすことへの恐れ・焦り」は解消されるはず。

次回以降の座談会でも、ママたちのモヤモヤを掘り下げながら、開発の方向性について探っていきます。
 

■座談会Vol.2 参加メンバーのご紹介

 

・株式会社彩華生活「ハローエンジェル」村田社長
2003年に化粧品・健康食品の通販サイトを運営する株式会社彩華生活を立上げる。
2011年に妊娠・出産を経て、日々のお悩みを解決する商品を開発するママライフブランド「Hello ANGEL」をスタート。宣伝にお金をかけず、口コミだけで数々の大ヒット商品を生み出す。1児のママ。

・串馬 美雪さん
20代からキャラクター商品開発、商品企画およびディレクション、進行/生産管理、マーケティング等の経験を持つ1児のママ。

・藤原仁美さん
20代から雑誌書籍のエディトリアルデザイン、グラフィックデザイン等に携わる。Bondage aristとして、海外の写真家やジュエリーデザイナー等とコラボレーションした作品も制作。日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)正会員。2児のママ。

・糸井朱里さん
雑誌編集者として6年、食品系企画会社にて企画、マーケティング、調査などに携わる。現在はコンテンツディレクター、エディターとして活躍する2児のママ。

・五十嵐さん
「キッズ大学」「チームわが家」サポーター。家事育児に集中しながらより良い暮らしの糧を探る「育自休暇」を経て正社員に復帰。2児のママ。

・濱本さん
デザイナー/アートディレクター。商品パッケージや販促ツールなどのデザイン及びアートディレクション、広告プランニング等に携わる。1児のママ。

・佐藤にの
マムズラボ株式会社代表取締役。クリエイティブ領域に長く携わり、現在は企画、プロジェクトマネージメントなどを担当。学生の夫を持つ二児のママ。
 


▶ ママライフブランド「Hello Angel(ハローエンジェル)
▶ 座談会メンバーが所属するクリエイター集団「マムズラボ