ママをストレスから解き放つ商品を開発する”ママフリープロジェクト”を展開するHello ANGELは、“ママの悩みを解決する商品を開発”するために必要なエビデンスを獲得すべく、2017年3月末に開催された首都圏最大級のファミリーイベント「かぞくみらいフェス」で、来場された方のうち約1,000名のママに対しアンケートを実施しました。

前回の座談会では、回答結果から「ママたちには本音を吐露できる場が必要」と分析。可視化するべく開発をスタートしましたが、もう1点、ママたちに開発を求められているモノがありました。

絶対濡れない、高機能レインコートの開発に着手

前回のアンケート回答結果からは、“雨の日の自転車送迎を楽にできるものが欲しい”“Hello ANGELのヒット商品である自転車用レインカバーと一緒に使えるレインコートが欲しい”のという意見も多々見られました。

それに伴い、当プロジェクトではレインコートの開発に着手。まずは機能性やデザインについて方向性を確定するべく、デザイナーの皆さんにお集まりいただきました。

「デザイン前のリサーチ段階で、他社商品をかなり見たんですけれど、レインコート市場は形もデザインも機能はもちろん、安全性もさまざまで混沌としていますね。どの面も精度が高く、買いやすい場所で販売されているものは意外と少ない印象でした」

独立行政法人国民生活センターでは消費者に向けて、ポンチョやロングポンチョは、前かごや荷台がない自転車では裾が車輪等の駆動部と接触し巻き込まれる可能性があるほか、裾が舞い上がり視界が遮られることもあるとして注意を呼び掛けています

また、自転車運転時にレインウェアを使用する1,147人に対し、過去 5年以内で自転車運転時にレインウェアが原因で危ないと思った人は 36.4%(418 人)もいたそう。ママは子供を乗せて自転車を運転することが多いだけに、危険性が少ないレインウェアを選択することは必須ポイントと言えます。

ママが求める本当のレインコートとは

「こちらのリサーチでは、安全性や機能性とデザイン性のつり合いがとれていないものが多い印象。メーカーの規模や資本力、PR力にもよるのでしょうが、また、販路が少ないものも多く見受けられました。普段忙しいママは探すことに時間をかけられないから、分かりやすい場所で販売してほしいですよね」
「ママが躊躇しないで買える価格帯であることも大切ですよね。それと、“Hello ANGELはママの悩みを解決するグッズが全部揃う”というブランドコンセプトは大事にしないと」
「朝の忙しい時間帯、心のコストを少しでも減らしたいから、送迎後にそのまま着て仕事にいけるデザインクオリティは求めたいですね」
「柄がプリントされているものは、若い子がフェスなんかに着ていくには可愛いんですけれど… 大人世代にとって仕事には行けないんですよね(笑)。街中で変に視線を浴びるから、結局使わなくなります」
「うっかり水たまりを通過すると、泥跳ねが服や靴に付きますよね。それも防げたら嬉しい」
「メイクした後の顔が濡れるのは絶対に防ぎたいな、一度帰宅してメイクしなおして、なんてやってる時間がもったいない…!」

とは言え大人が着たいレインコートは、デザイン性があってこそ

「私はレインコートのカジュアル感が嫌いで、着たくないんですよ。働いていると社会的に足元を見られることも残念ながらまだあるから、服装はきちっとしておきたいなと」
「ああ、わかります。だからレインコートを着るのなら、キレイ目の服装にも対応できるような、無難だけどデザイン性があるものならいいですよね。袖をまくっても格好良くきまる、みたいな」

 

 

各デザイナーがデザインラフを持ち寄り、基礎デザインやカラーリングのほか、着脱性の高さや扱いやすさなどについても議論。結果、働くママにとって大切な時間を大切にするには、①安全性 ②機能性 ③デザイン性 を高いレベルで兼ね備えているレインコートが必要、というのがこの日の結果でした。
また、土砂降りや台風時に対応できる本格派ではなく、“頑張れば送迎できるレベル感の雨”の日にしっかりと使えるものがいい、という意見も。

タクシーに頼らず、自転車に子連れで乗っても危険を回避しやすいレインコート開発においては、以下のようなポイントが重要と言えそうです。

<機能性レインコート 開発ポイント>

  • デザイン面
    ・おしゃれであること
    ・ずっと着ていても恥ずかしくなく、服装に左右されないデザインとシルエット
    ・自転車運転時の水濡れを防ぐ着丈
    ・送迎も直行直帰もできる
    ・頭の先から足元まで、雨や泥跳ねを防げる面積
    ・身長や体形に合わせ、MとLの2サイズ展開

 

  • 機能面
    ・防水または撥水加工。水滴が服に染みないことが大前提
    ・止水ファスナーで水の侵入を防止
    ・スナップボタンは手間がかかるため、前開きファスナータイプに
    ・泥跳ねを防ぐ足元対策もプラス
    ・シチュエーションに応じてパーツの取り外しが可能
    ・髪の毛も濡れないよう、顔周りの生地はほどよく密着させる
    ・顔への水濡れを防ぐため、顔を覆うつばは広めに
    ・フードが浮かないような“押さえ”機能を搭載する
    ・同生地の収納バッグ付き

 

  • 安全面
    ・ポンチョ型ではなくコート型
    ・車輪などへのまきこみを防ぐため、ぶかぶかしすぎないサイズ感とシルエットに
    ・風浮き防止と視界確保のため、つばの素材は固めに

今回の座談会を受け、見えたものは「送迎後に仕事に行くママがそのまま着ていける、機能性レインコート」のニーズでした。このあと、デザインラフ画をもとにファーストサンプルの制作に入ります。お楽しみに!